2022年12月02日

老師敬服〜正派対邪教〜デザイナーズノート

これは、ボードゲームに交わるエトセトラ Advent Calendar 2022の12月2日の記事です。

「老師敬服〜正派対邪教〜」は「老師敬服」の2人専用のゲームで、
ゲームマーケット2022秋で発売しました。

「老師敬服」は3〜5人用で、
周囲の反響から5人がベストとされているのを目にしていて、
逆に人数が少なくなって面白いわけがないだろう、
そう思われるかもしれません。

自分も当初、
「老師敬服」をプレイ人数に2人を書かなかった理由は
2人でやっても面白くないと思ったからです。

どの様に調整、変更して発売しようと思ったのか、
まとめていこうと思います。

長文になると思います。

「老師敬服」について知りたい方はこちらを見るなりして、
調べてもらえればと思います。すみません。

■老師敬服の人数について
前述しましたが、
「老師敬服」が5人ベストとされている理由として、
・遊ぶとスタートプレイヤーがまんべんなく回る
・たくさんの人がアクションタイルを出し、選択肢や総アクション数が増える

というところが大きいのではないかと感じています。

「老師敬服」はそのままのルールで2人で遊ぶことが可能です。
しかし、2人で遊んだ際は相手プレイヤーを敬服することがありません。

厳密にいうと以下の理由から敬服したいと感じないのです。
・敬服する際、唯一の対戦相手に0.5点を与える
・敬服されたら素材がもらえるケースがあるので効果的にはそれ以上の効果がある

敬服をしない「老師敬服」など、それは「老師敬服」ではないと思います。

また、ランダムな手を打つNPCを追加するということも考えました。
こうなると、勝敗に関係ないNPCにのみ敬服することになり、
相手に敬服されない「老師敬服」も「老師敬服」ではないと思いました。

上記の理由から「老師敬服」は2人で遊ぶことは無理だと思っていたわけです。

■着想
ある日、紙ペンゲームの一種である
「エクスプローラーズ」というゲームをプレイしました。
https://boardgamegeek.com/boardgame/330174/explorers

紙ペンゲームは好きです。

手番では親がタイルを引き、めくります。
この時上下に地形が書かれていて、
どちらの地形を3マス塗り進めたいか親は選びます。

子は親の選んだ地形を2マス塗るか、
親が選んでいない地形3マスを塗るかを選びます。

親は自分のアクションを選ぶとともに、
子が有利に使えるアクションを選んでいるのです。

この上下に地形が書かれたタイルを見て、
「老師敬服」のアクションタイルを思い出しました。

「老師敬服」のタイルを使って、
自分のアクションを選びつつ、
もう片方を相手に使わせることで、
2人で「老師敬服」をできないかなと思ったのです。

2人で遊ぶと極端にアクション数が少なくなるところを、
1手番に両者が1アクションずつすれば、
アクション数も増え、
2人ながら4人分のアクション数は確保できるのではないか…と。

これが「老師敬服〜正派対邪教〜」に実装された
子アクション」の着想であり、
ここからこのゲームを作るぞ!という気持ちになりました。

■敬服問題
前述しましたが、2人だと相手を敬服しないと思っていました。

ところが「子アクション」を試しに実装してみたところ、
敬服して相手のアクションをすることに加えて、
「子アクション」を行うというのはかなりの魅力になりました。

これは2人でプレイしても敬服したくなるんじゃないかという可能性を感じました。

そのため、
各タイルは敬服して両方のアクションをした時に相性が良い組み合わせ
に調整をすすめました。

このあたりで敬服の方向性が定まってきます。

「老師敬服」は敬服はもちろんしたいものの、
どちらかというと他プレイヤーから敬服されたいと思うゲームです。

「老師敬服〜正派対邪教〜」では
相手を敬服したくて仕方がないゲームにしようと思いました。

人を誉める人は誉められた人よりも偉い、自分はそう思います。
誉める人がいなければ人は誉められないからです。

弟子の能力も敬服されたら発動する効果は廃止し、
敬服したら発動するようにして、
とにかく敬服したプレイヤーをシステム側から褒め称えるようにしたのです。

相手の都合は分からないけどひたすら敬服し続け、
もれなくすべてのアクションが出来ればあなたは勝利できるでしょう。
そんなことができれば…の話ですが…。

とにかく、
「老師敬服〜正派対邪教〜」ではそれぐらい敬服は強力なものになったのです。

■アクションプロットの廃止
「老師敬服」といえば、アクションプロットが面白いところと思っているのですが、
2人でプレイするにあたり、大体同じ手をプロットする事になるだろうと考えました。

これは多人数でプロットしていたのに救われていたところです。

似たようなアクションが打たれると、敬服したくなくなります。
それであれば2人交互に手札から打つスタイルに変えようと思いました。

これはこのあと浮上するアクション不足問題の改善にもつながっています。

■アクション不足問題
5人ベストの理由の一つにスタートプレイヤーの回数が均等という物があったため、
「老師敬服〜正派対邪教〜」ではラウンドは4で終了します。
「老師敬服」より短いです。

結局、子アクション足してもラウンド少ないためアクション不足感は否めません。

ラウンド数ではない箇所で
「老師敬服」よりアクションを加速させることが出来ないか
と考えました。

偶然にもアクションプロットを廃止したことにより、
獲得した奥義タイルを次の手番に打てるようになりました。

「老師敬服」は事前にプロットしていたアクションを解決していくため、
獲得した奥義は次のラウンドにならないと使えないようになっています。
細かいところですが少しだけレスポンスが早くなった要素です。

次に弟子の効果です。
これもアクションプロットを廃止したことにより、一部効果を再考する必要がありました。
ほとんどの効果は単純に、獲得時に素材を得る物にしました。
素材を払って、別の素材を得る、ただそれだけなのですが、
一時的な変換アクションになっており、弟子を取ると同時に素材を得るという
2つのアクションを内包したものになっています。

弟子の効果に関しては個人的に気に入っていて、
素材変換していると同時に勝利点につながるような仕組みになっています。
これは「老師敬服〜正派対邪教〜」の制作前に考えていた別のゲームの仕組みで、
大好きなゲームである「ファラオン」の青いカードのようなことを考えていました。

あ!重要なことを忘れていました。

「老師敬服」では弟子と奥義が増えると1ターンに行えるアクション数が増えていきました。
それを「老師敬服〜正派対邪教〜」では撤廃しています。

自分としてはアクション数が相手の方が多くなった瞬間に、
もう勝てない、と思って投げだしてしまうのではないかと思ったからです。

「老師敬服」で自分だけ2回しかアクション出来なくなった時、
「もうおしまいだ…」と感じたことは何度もあります。

そのため相手と自分でアクション数に差がつかないようにしたかったというのが主な理由です。

3回アクション出来れば十分で、5回以上のアクションは多いと感じています。
そのため回数は3回固定にしています。

■弟子
弟子の効果には少し触れましたが、
アクション数が増えないことで「老師敬服」より取る魅力が減りました。
相変わらず失点がついてるので、いずれ鍛えて得点化しなければなりません。

当初おまけ程度に考えていましたが、
「老師敬服〜正派対邪教〜」では「正派」と「邪教」の数比べがあります。

ルール校正をしてくれたぼーずさんの一言で、
得点差をより大きくつけることで弟子を取ることに理由が出来ました。

即時効果の弟子はそのターンの助けになりますし、
後々に鍛えることでさらに素材を生み出します。

敬服効果の弟子はそろえれば、
敬服時に一斉に発動し、大量の素材を生み出します。

どちらで攻めても面白く、気に入っています。

■奥義
奥義は様々なものを試しました。
上下にアクションが書かれている初期タイルの形で当初は試していました。

しかし、奥義を使用しても子アクションがあるとやはり敬服された時に効果が大きく、
使用者本人も奥義にありがたみを感じられなかったのです。

「老師敬服」のタイルをそのままに、同様のレイアウトにし、
子アクションを無しにし、敬服でのみ使用できるもので落ち着きました。

奥義タイルの習得コストはほとんど敬服チップを使用するものになっています。
奥義の習得は強力なものの、敬服チップの消費によって相手に隙を見せることになります。

敬服チップを敬服に使うのか、奥義に使うのか、弟子に使うのか、
敬服チップをどこに使用するのかというきっかけを作った要素になります。


「老師敬服」では敬服チップをコストに使うことはなく、
キックスターターの特典で入った弟子のみだったと記憶しています。

■終わりに
以上が「老師敬服〜正派対邪教〜」についてのまとめになります。

ちなみに、「老師敬服〜正派対邪教〜」はかなりプレイヤーに厳しいゲームです。
無計画なプレイをすると、対戦相手に屈辱的な足元の見られ方をするため、
我こそはという方はぜひプレイしてみてください。

「老師敬服〜正派対邪教〜」はここから買えるので、
気になった人はぜひ、ご購入、ご検討よろしくお願いします。


ボードゲームに交わるエトセトラ Advent Calendar 2022の12月3日は
我らが日本一のボードゲームYoutuber「hal_99」さんの記事になります!
お楽しみに!
posted by やざわ at 00:00| 自作ゲーム:老師敬服〜正派対邪教〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月26日

新作「老師敬服〜正派対邪教〜」

■ゲームタイトル
「老師敬服〜正派対邪教〜」

箱.jpg

■アートワーク
 山内 貴司(Plan E)

■マニュアル校正・校閲
 西田 誠

■翻訳
 Saigo

■プレイ人数
 2人

■ゲームの時間
 30分〜45分

■対象年齢
 10歳以上

■説明書
 日本語説明書
 English_Rules

■動画
 準備中

■内容物
 お金(黄):25個
 酒(青):25個
 1敬服チップ:30枚
 5敬服チップ:2枚
 10敬服チップ:2枚

 弟子カード:17枚
 アクションタイル:24枚
 先生タイル:1枚

 ルール:日本語 / 英語

■ゲーム内容
 2016年にHOY GAMESから発売し、
 ホビージャパン様より2019年にリメイクされ発売された、
「老師敬服」が二人専用になって帰ってきました。

 老師敬服とはどんなゲームなのか、
 また、どのような差があるのかを紹介します。

1.老師敬服とは
 老師敬服でプレイヤーは道場の老師となり、自分の道場の繁栄を目指します。

 ゲームは手番プレイヤーが手札から次のようなアクションタイルを出して、効果を発揮、
 その後手番プレイヤーを入れ替え、アクションタイルを出して、
 という流れを交互に行います。

(アクションタイル)
アクションタイル.jpgアクションタイル2.jpg

 これらのアクションタイルを使って、素材を集め、
 新しい弟子を勧誘したり、勧誘した弟子を鍛えたり、
 新しく奥義を編み出したりすることで勝利点を獲得していきます。
 また、他プレイヤーから「敬服」されることも重要になります。
 
 「敬服」とは、
 「手番プレイヤーの行ったアクションを手番でないプレイヤーも同様に行う
 という行為です。
 相手が使ったアクションがすごく強くて、
 自分も使いたいと思えば「敬服します」と「敬服」することで使用できるのです。

 新しく編み出した奥義もアクションとして使用することが出来るのですが、
 奥義の効果は非常に強力です。
 しかし、奥義ですらも敬服されれば相手に使用されてしまうことになります。

(奥義タイル)
奥義.jpg

 敬服は強力ではあるものの無料で行えません。
 「敬服チップ」という素材を消費することで敬服することが出来ます。
 常に自分、そして相手の敬服チップの量に気を配る必要があります。

(敬服チップ)
敬服裏.jpg

 また、敬服で使用したチップは裏返して、手番プレイヤーに渡します。
 このオレンジの面になった敬服チップは敬服には使えないものの、
 ゲーム終了時の勝利点になります。

敬服.jpg

(図では手番プレイヤーのことを「親」そうでないプレイヤーを「子」と記載しています。)

 敬服のし過ぎも気を付けなければなりません。
 敬服をうまく使いつつ、相手よりも高い勝利点を目指しましょう!
 というゲームです。

2.(新要素)子アクション
 本作では敬服せずとも、手番ではないプレイヤーもアクションができるようになっています。
 アクションタイルには2つのアクションが書かれており、
 手番プレイヤーはやりたい方を自分の方向に置きます。
 これを手番ではないプレイヤーは敬服することが出来ます。

 その後、手番ではないプレイヤーは敬服していても、していなくても、
 反対側のアクションを行うことが出来ます。


子アクション.jpg

 この「子アクション」は敬服できません。
 そのため手番でないプレイヤーは最大で
 敬服によるアクションと子アクションで2回の行動ができます。
 非常に敬服が強力になりました。常に敬服したい!

 手番プレイヤーは自分のアクションと同時に
 子アクションで何をさせるかも考える必要が出てきます。
 そして、どちらかというと敬服されたくない!

 元の老師敬服とは敬服性の違いがある要素となっています。

 ちなみに奥義は強力なアクションな上に子アクションがありません。
 敬服されてしまうことはありますが…。
 その分、習得にかかる素材が高く設定されています。強い!

(奥義タイル)
奥義.jpg

3.(新要素)正派と邪教
 本作で登場する弟子たちは「正派」「邪教」のどちらかに所属しています。

正派の弟子.jpg邪教の弟子.jpg

 ゲーム終了時に相手よりも「正派」の弟子の数が多い、「邪教」の弟子の数が多い、
 さらに両方とも多いとボーナスで勝利点を得ることが出来ます。

 「正派」と「邪教」両方で1枚分になる「中立」の弟子や、
 「正派」2枚分、「邪教」2枚分になる各勢力の「幹部」といった弟子もいます。

 ただし、勧誘しただけの弟子はマイナス点を持っているものがほとんどです。
 鍛えてあげることで、マイナス点は勝利点へと転じます。

 勧誘に必要なコストをもう一度支払うことで鍛えることができます。
 そうして、裏面の真の姿に覚醒するのです!
 
 勧誘と鍛錬に関してはおなじみの要素ではあるのですが、
 元の老師敬服にある能力をもつ弟子は存在しません。
 全能力を一新しています。


 各弟子が鍛錬するとどんな姿になるのかも含めて、お楽しみに!

2022年04月22日

新作「ロールライトレイルロード」

■ゲームタイトル
「ロールライトレイルロード」

タイトル画像.jpg

■アートワーク
 矢沢賢太郎

■プレイ人数
 2〜4人

■ゲームの時間
 20〜30分

■対象年齢
 12歳以上

■概要
 プレイヤーは豆農家の実家を飛び出し、鉄道会社に就職した新人社員です。
 豆は凄いので全社員がプレイヤーを尊敬し、鉄道計画のすべてを任されることになりました。
 鉄道の知識がないプレイヤーは両親に託された「大豆」を削ってダイスを作り、
 豆に運命を託すことにしました。
 という並行世界が存在することを追体験します。

■注意
 本ゲームは作者が思いついてからすぐに出そうと思った、実験的なゲームです。
 そのため、見た目やゲームの完成度は過去作と比べて低いものになります。
 それでもプレイしてみたいという挑戦的な方はぜひお買い求めくださればと思います。
 
 また、これをデベロップして出したいというパブリッシャーの方がいましたら
 是非お声がけください。

■内容物
 ※このゲームをプレイする際に、プレイヤー人数分のペンとダイスをご用
 意ください。

 ゲームシート:50枚
 ダイス:1個
 説明書

■エラッタ
 説明書内で「好きな駅の建設」の効果で使われている「虹色のアイコン」が、
 ゲームシート上ではすべて「無地の緑色のアイコン」になってしまっています。
 ゲームシート上で「無地の緑色のアイコン」の駅を塗ったり、ダイスの効果を使用する際は
「好きな駅の建設」の効果を適用してください。

 京阪マップでは御堂筋鉄道の70点以降のマスに灰色の線が消えてしまいました。
 線路の敷設で他のルール同様に、条件を満たしていれば線路を引くことが出来ます。