2015年06月21日

「ドラゴン」デザイナーズノートその5

 前回の記事はこちら

■仕事場の調整
 最初の仕事のルール、
 自分の仕事場へは仕事に行けない、
 というルールがあったため、
 自分が買った仕事場から生まれる素材を得られませんでした。
 
 他人が使用してくれれば報酬は入るものの、
 誰も使ってくれなければ無駄なカードになってしまいます。
 
 そんな博打をうってまで
 仕事場カードを買おうと思う人はいません。
 
 そこで、
 ドラゴンのパラメータを強化する要素をつけました。
 しかしこれでも欲しいと思ってもらえませんでした。
 
 育成中にもパラメータにそれぞれ意味を持たせ、
 効果があるようにしました。
 
 攻撃力は、成長アクション時にボーナスとして食料がもらえ、
 素早さは、休むアクション時にお金がもらえるようにしました。
 
 体力は、しばらくしてから、
 仕事場の持てる数が増えるというふうになりました。
 
 始めは体力に能力をつけていなかったのですが、
 成長の時に意味がないと、
 能力をあげる気になれないようでした。
 
 最初はかなりきつめの設定でしたが、
 ハートをつかわない精霊をいくつか入れて調整しました。
 
 そして、
 お金と食料に若干の価値の差をつけました。
 お金は食料よりも価値が低めで多めに手に入ります。
 そのため仕事場はいちばん買いやすいものにしました。
 それでもテストプレイの時はなかなか買ってもらえませんでした。
 
 さらに自分の仕事場を使うことができる修正が入り、
 仕事場の購入コストの調整をしました。
 まだ割と安いと思いますが、昔は今の2〜3倍の価格設定でした。
 
 仕事場から豆の精霊になり、
 豆の精霊たちはかなり強力になった、と思います。
 買いやすくし過ぎたかもしれないです。
 
 でも、うまく買っていくこともできないし、
 体力がなければたくさん持つこともできないので、
 誰も買わないものよりも、
 みんなが買いたくなるものにしたいと思ったので、
 この調整に落ち着きました。
 
■最後の調整
 ドラゴンにランダム要素はほとんどありません。
 なので、決まりきった手を打てば勝てるかもしれません。
 
 プレイヤーというランダム要素に頼っていますが、
 そればかりというのも不安でした。
 
 バトルの時に何か起きてほしいなと思いました。
 
 大きくパラメータが上がったりすると、
 今までの育成はなんだったのか!
 となってしまうと思いました。
 
 なのでほんの少しだけパラメータが上がる、
 だけど何のパラメータが上がるかはわからない。
 その程度のランダム要素を入れました。
 
 最初に豆の精霊を配って、
 そのパラメータがゲーム終了時にアップするというものです。
 
 豆の精霊の枚数が多くないので、
 査察カードを代わりに配って、
 配られた査察カードの1回目の査察に書かれた能力が上がる、
 とすれば、豆の精霊を減らさずに済むので、
 よければ、お試しください。
 
■最後に
 嬉しいことに、
 ゲームマーケット2015春:新作評価アンケート結果にて、
 第三位になりました。
 いまだに信じられません。
 
 つまらないと思っているわけではありませんが、
 2年近く作っていたせいか、
 正直、面白いかどうかわからなくなっていたところもありました。
 しかし、楽しんでいただけて嬉しいです。
 
 ドラゴンはイエローサブマリン様で委託販売中なので、
 興味がある方は是非お買い求めください!

 おわり!
posted by やざわ at 00:16| Comment(0) | 自作ゲーム:ドラゴン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月24日

「ドラゴン」デザイナーズノートその4

 前回の記事はこちら
 
■手札の息切れシステムとコンコルディア
 初めに軽く触りましたが、
 ドラゴンでは何か行動する際にカードを使用します。
 そして使用したカードは手から一時的に離れ、
 徐々に行動の選択肢が狭まっていきます。
 
 基本アクションの内容を暗記せずとも、
 カードを見ることでわかるプレイアビリティにし、
 その中で遊びを生み出せないかと思った結果のアイディアです。
 
 後にリトルエッセンで購入した
 「コンコルディア」という素晴らしいゲームに出会いました。
 
 面白さに感動しつつも、絶望を味わったのを今でもよく覚えています。
 
 「この手札の動き、被った…!」
 
 でも、昔からこういったカード循環システムはありましたし、
 そもそもゲームの内容が違うものなのでドラゴンを捨てることはしませんでした。
 
 しかし良いところは取り入れようと思いました。
 
 当時のドラゴンのアクションカードは
 アクションの記号のみ書かれていたカードでした。
 コンコルディアのアクションカードを見て、
 テキストを書いたほうがより親切だと思い、
 そこは正直に言いますと、パクリました。
 
 コンコルディアは本当に面白いゲームです。
 特に長官というアクション。
 あれだけで一つゲームが作れそうだなーと感じました。
 もし未プレイであれば、
 長時間かかるゲームではあるのですが
 覚えることはそれほど多くなく、面白いのでオススメです。
 
 ※本気で勝ちたいという
  勝負にこだわる人は考えることが多くなり、難しいとは思います 
 
■買い物について
 最初のバージョンでは買い物というアクションがありました。
  ・仕事場カードを買う
  ・食料を買う
  ・赤のエレメントを買う
  ・青のエレメントを買う
  ・緑のエレメントを買う
  ・黒のエレメントを買う
  ・素材(エレメント)を売る
 
 昔は買い物アクションで素材が買えていました。
 そして、リソースもお金以外に4種のキューブがありました。
 
 赤、青、緑のエレメントはほぼ同列で、
 黒は赤と青、青と緑、赤と緑を組み合わせることで生み出せる
 上級素材でした。
 
 買い物では
 主に仕事場カードと食料の購入、
 素材を売ってお金にすることがメインになるように
 素材の値段設定していました。
 
 仕事場からエレメントが簡単にゲットできていたので、
 エレメントは買い物で買う必要がなかったのです。
 当時の仕事場は未調整だったので
 エレメントがどっかんどっかん手に入っていました。
 
 ただ、仕事がそもそもできないという問題のせいで、
 素材の購入をすることがありました。
 
 仕事アクションの調整していくうえで、
 買い物が万能で色々出来すぎてしまったので、
 買えるものを仕事場のみにしました。
 
 そこで買い物はしばらくの間、
 誰も選ばないカードになりました。
 
 仕事場を獲得しても自分が使えなかったからです。
 
 ここから仕事場を欲しいと思わせるための調整が始まります。
 
 つづく
posted by やざわ at 21:56| Comment(0) | 自作ゲーム:ドラゴン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月15日

「ドラゴン」デザイナーズノートその3

 前回の記事はこちら
 
■ドラゴンの簡略化
 ドラゴンを語るうえで外せない要素、ドラゴン。
 最初のテストプレイでのドラゴンは、
 ある程度決まったルートでしか成長できませんでした。
 
 ドラゴンの初期状態を「幼年期」とし、
 「幼年期」から「少年期」のドラゴンに成長できます。
 「少年期」から「青年期」、
 「青年期」から「成年期」、
 「成年期」から「老年期」へと成長していくわけです。
 
 自分のドラゴンが次に成長できるのはどれか、
 これを調べるのがとても面倒だったため、ルート決めることはやめました。
 この要素はスーパーファミコンの「サンサーラナーガ2」に影響されていました。
 
 さらにドラゴンにはテキスト効果がありました。
 
 頭側に書かれているテキスト効果と
 体側に書かれているテキスト効果を組み合わせた能力を発生します。
 
 頭側「最後のバトルで」
 体側「1金余計に得る」
 
 のような感じで二つの言葉がかみ合わないとまったく効果がありません。

 かみ合うと強力なのですが、
 そろえるのが難しく、処理を忘れやすかったのです。
 忘れる程度のものならいらないだろうということでカットしました。
 この要素はプレイステーションの「ドラゴンシーズ」に影響されていました。
 
 ドラゴンには3つのパラメータがあります。
 それ以外に
 空が飛べるとか泳げるといった特徴を持たせたことがあります。
 
 これは何に役立つかというと、
 「冒険」というアクションのためです。
 
 「冒険」とは場に数枚、
 冒険に行ける秘境カードなるものがあり、
 ここへはドラゴンのパラメータが十分であった場合、
 1か所を攻略でき、勝利点を得るといったものです。
 
 しかし、
 @「仕事」で育てるリソースを稼ぐ
 A「狩り」でドラゴンを育てる
 B「冒険」で勝利点を獲得する
 といったステップはなかなか面倒で、
 秘境カードはランダムで数枚オープンにしており、
 誰かがクリアするたびに捨て札となり、
 新たな秘境カードがオープンされます。
 そのため、
 必要な能力がコロコロ変わってしまい狙えませんでした。
 
 秘境カードを全オープンした状態も試しましたが、
 情報量が多すぎるため「冒険」は無しにしました。
 なかなかテーマ的に熱い要素とは思いますが。
 
 現在のドラゴンの成長方法は、
 列の一番手前にあるドラゴンから選べるようにしていますが、
 全てから選べるようにしていた時期もあります。
 
 その都合でサマリーカードを作成し、
 全種類のドラゴンの能力とコストを見て分かるようにしたのですが、
 そのサマリーを見て、逆にげんなりしました。
 
 全てから選んでできることは、必ずしも良いとは限らず、
 ある程度制限したほうが良いと感じ、現状のルールになりました。
 
 そんなわけで
 ドラゴンの成長先の選択は
 4列の一番数値の少ないものから選び、
 ドラゴンの能力は
 3つのパラメータのみになりました。
 
 攻撃力:相手に与えるダメージ数
 体力:ダメージを耐える力
 速度:相手よりも大きい場合、先にダメージを与えられる
 
 成長でこだわった点として
 成長したドラゴンは成長後の強さになるのではなく、
 成長過程のパラメータも考慮したいと思っていました。
 
 たとえば、
 Aさんのドラゴンは攻撃特化の姿をしている。
 なぜか速度もすごく速い。
 それは以前に素早いドラゴンに成長したことがあって、
 その遺伝子が残っていて、それが受け継がれているから。
 
 成長するとAはBになる、
 そしたらAのことは忘れていいのか?
 
 Aだった思い出とか素質みたいなものがあったと思います。
 だからAだったころの能力も残しておきたいと思い、
 加算型の成長システムにしました。

■精霊の誕生
 「仕事」の方向性、
 「ドラゴン」の簡略化が済んでから、
 何回かテストプレイをしていくうちに、
 ハッピーゲームズのRYOさんにもプレイしていただきました。
 
 その時に、
 ドラゴンが建物(仕事場カード)で強くなるというのが違和感だったようで、
 建物ではなく妖精とかにしたらどうかという助言をいただきました。
 
 妖精にした場合は、
 「仕事」というよりも「いのる」とか「お願い」かな?
 というわけで「仕事」は名前を変えることになったのです。
 
 そして自分は確信しました。
 妖精…あの豆の妖精しかいないな。
 
 豆の精霊たちが誕生した瞬間でした。
 
 つづく
posted by やざわ at 22:36| Comment(0) | 自作ゲーム:ドラゴン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする